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1st CD: Happy Hour曲目解説
1. Slow Wind

おや、マッカートニー&ウィングス? と思わせるイントロで意表をつきながら、速やかに舞台はパシフィック・コーストのフリーウェイへと移ります。2本のスライド・ギターがソロとオブリガートを分け合う、ありそうでなかった西海岸サウンド。突き抜けるような青い空でなく、やや湿り気をおびた風は、言ってみれば北カリフォルニア、マリン・カウンティ? レイドバック気分満点のサウンドから、小粋なポップ・センスが顔を覗かせています。

2. Zydeco Train
ニューオリンズ・セカンド・ライン・ビートにザディコが合体。思えばどちらもルイジアナの特産品。アコーディオン、コンサーティナをメインに、スライドで応じる藤田。おお、日本のソニー・ランドレス! とは言いすぎか。しかし“夕焼け”時代のグルーヴを思い出します。リズム・ギターの心地よさもぜひ聴いて。

3. Texas Bronco
テキサスの暴れ馬が最速で走り回る、カントリー・ポルカ。バック・オウエンズ&バッカルーズの達人、ドン・リッチを彷彿させるフラット・ピッキングが炸裂します。

4. St. Domingo Ocean Blvd.
メロディックなスライド・ギターが、50年代アメリカの夢だったカリビアン・リゾートの気分を満喫させてくれます。21世紀の日本で、こんなにも心地よいカリプソ・ポップ・インストが生まれるとは、痛快ですね。飯田雄一の作品。

5. Armadillo Rhumba
ダブル・ストップを駆使しつつ、ちょっとテックス・メックス・テイストで演じられるルンバ。サビの部分は、60年代のダンス・パーティを思わせるロックンロール気分で盛り立てます。中ほどにはボブ・ウィルス「サン・アントニオ・ローズ」のメロディが。オレンジ・カウンティ・ブラザーズのファースト・アルバムからの飯田作品。

6. Walk With Me
おお、これは! 懐かしの(?)エレキ・シタールをフィーチャーしたダブ・サウンド。無国籍なアプローチによるロマンティックなR&Bインストですが、中間部のソウルフルな濃いめのギター・ソロが、主人公のシャイな主張を垣間見せます。うーん、奥ゆかしい。

7. Maria Elena -> Estrellita
どちらもメキシカン・スタンダードとして有名な曲をメドレーで。ライ・クーダーも演奏していた「マリア・エレナ」ですが、やっぱりワシラの世代はロス・インディオス・タバハラスですよね、藤田さん。ここではシャッフルにアレンジされているのが面白い。一方の「エストレリータ」は、ルンバというかビギンというか、懐かしのリズムをヨーロピアン・エレキ・インスト風に料理。

8. Waikiki Uwaki
リズムを刻むウクレレが運んでくるハワイの風。なぜかメロディはラグタイム風というのも、思わず頬もゆるむミラクル・トーンズの折衷主義。なごみますね。

9. Mambo Gumbo
リトル・フィート〜ローウェル・ジョージを思わせるフレージングも聴かれますが、ここではむしろ、もっとルーツィなバイユー・ロックが演じられます。向い風を突っ切るようなスライド・ギターが爽快。

10. Miracle Gumbo
ミーターズを思わせるファンキーなインスト。コンプ+フェイザーのコンビネーションによる快感エフェクトのリズム・ギターは、まさにリトル・フィート風でもあります。

11. Sleep Walk
1959年にNo.1となったサント&ジョニーのインスト・クラシック。オリジナルはスティール・ギターによる演奏ですが、スライド・バー使いのギタリストなら、誰もが一度はトライしてみたい曲でしょう。藤田の十八番。夢見心地の名演ですね。

12. Runnin' With The Devil -> Snow Rider
スカ・ビート・ミーツ・哀愁のヨーロピアン・エレキ・サウンド。サビには加山&ランチャーズの名演「ブラック・サンド・ビーチ」へのトリビュートと思しき一節も。後半にはエレキ・インストに向けたオマージュが続出するオリジナル・メドレーです。“エキサイト・トラック”との看板に偽りなし。

宇田和弘(オールモスト・ブルー)

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